終活に必要な遺言の作成方法を解説!遺言の種類など3つのポイントまとめ
「終活を始めて遺言を知ったけど、家族が仲良くても必要なの?」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。 遺言は、自分の財産を正確に家族に伝え、死後に遺産相続で揉めないために必要になります。 この記事では、「終活に必要な遺言の種類」から作成の流れまでご紹介します。 自分の死後にトラブルなく家族に過ごしてほしいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
  • 終活で遺言はなぜ必要?
  • 遺言の種類
  • 遺言作成の流れ

終活で遺言はなぜ必要?

終活で遺言はなぜ必要?
終活で遺言が必要な理由は2点あります。

(1)遺言があることで、相続人同士のトラブルが防げる

遺言があることで、分割方法に対して相続人同士のトラブルを防ぐことができます。 なぜなら、世話をしていなかった家族が遺産を多くもらおうとしたり、生前贈与などで不公平を感じる相続人がおり、遺産分割協議がまとまらない可能性があるためです。

(2)亡くなった人の財産が分からない

亡くなった方の財産を探すことはかなり苦労します。 なぜなら、親と離れて暮らしている場合にどこに口座があるか把握していない場合や、インターネット銀行口座で通帳がない場合が多いためです。 不動産は、固定資産税の納税通知書や名寄帳、証券は証券保管振替機構を通じて調べることができます。 しかし銀行口座は、使っていた銀行を探して窓口で確認するしか方法がありません。

遺言の種類

遺言の種類
遺言には自筆証書遺言と公正証書遺言の2種類があります。それぞれの特徴を紹介していきます。

(1)自筆証書遺言

遺言者本人が直筆で記入し、自宅や法務局で保管する遺言です。 作成時に立ち会う証人や作成依頼をする公証人が不要のため、コストをかけずに作成できます。 自宅で保管している場合は、検認手続きが必要です。 検認とは、相続開始後に各相続人が家庭裁判所に集まり、遺言の日付や署名、発見状況などを確認して、遺言の偽造を防止するための手続きです。 法務局で保管している場合は、法務局で遺言の確認ができるため、検認は不要となります。

(2)公正証書遺言

公証役場で公証人2人立会いの元で作成する遺言です。 遺言者が公証人に口述する形で、公証人が作成します。 公証人に依頼する費用がかかります。かかる費用は以下の通りです。 公証役場で原本が保管されます。公証役場で内容が確認できるため、検認は不要です。
遺産総額 公証人に依頼する手数料
100万円以下 5,000円
100万円を超え200万円以下 7,000円
200万円を超え500万円以下 11,000円
500万円を超え1,000万円以下 17,000円
1,000万円を超え3,000万円以下 23,000円
3,000万円を超え5,000万円以下 29,000円
5,000万円を超え1億円以下 43,000円
1億円を超え3億円以下 43,000円に超過額5,000万円までごとに13,000円を加算した額
3億円を超え10億円以下 95,000円に超過額5,000万円までごとに11,000円を加算した額
10億円を超える場合 249,000円に超過額5,000万円までごとに8,000円を加算した額
参考:日本公証人連合会 10 手数料 また秘密証書遺言と呼ばれる、公証役場において遺言の存在だけ認証し、内容は秘密にしたままの遺言もありますが、ほとんど利用されていません。 なぜなら、遺言の内容は自己責任となるため法的な効力が無効になる可能性があるからです。 自筆証書や公正証書のような保管サービスがないため、法務局の保管サービスなどがなく、紛失の恐れがあります。

遺言作成の流れ

遺言作成の流れ
ここでは、実際の遺言作成の流れをご紹介していきます。 順番にご説明していきます。

(1)作成前の準備

遺言を作成する前に財産の分け方や財産調査を行います。流れは以下の通りです。 1)誰にどの財産を分けるか考える 自分の財産を、事前に誰に分けるか考えておきましょう。 基本的には法定相続人に、遺産を分割していきます。 法定相続人とは、民法で定められている遺産を相続する親族です。 法定相続人以外にも、お世話になった遠縁の親族等に遺産を分けることもできます。法定相続人となる親族は以下の通りです。
相続する順位 関係性 具体例・備考
常に相続人 配偶者 籍が入っている配偶者のみ
第1順位 直系卑属 子ども。子どもが亡くなっている場合は、孫が相続します。孫が亡くなっている場合はひ孫が相続します。
第2順位 直系尊属 子どもや孫などの直系卑属がいない場合は、親が相続します。親が死亡している場合は祖父母が相続します。
第3順位 兄弟姉妹と甥姪 子ども、親もいない場合は兄弟姉妹が相続します。兄弟姉妹が死亡しており、甥姪がいる場合は、甥姪が相続します。
分割の割合は、法定相続分を用いて考えていきます。 法定相続分とは、法定相続人の遺産取得割合のことです。割合は以下の通りです。
配偶者 子ども 兄弟姉妹
配偶者のみ 全て
子どものみ 全て
親のみ 全て
兄弟姉妹のみ 全て
配偶者と子ども 1/2 1/2
配偶者と親 2/3 1/3
配偶者と兄弟姉妹 3/4 1/4
親や子ども、兄弟姉妹が複数いる場合は、人数で頭割り計算します。 例)配偶者と子ども2人の場合 配偶者1/2、子どもはそれぞれ1/4ずつ 法定相続分が定められているからといって、遺言で必ずその割合で分配する必要はありません。 例えば、面倒を見てくれている子どもに少し多く分配することもできます。

(2)自筆証書遺言を作成する流れ

作成前の準備が完了したら、早速遺言の記入と保管をしていきます。具体的な流れは以下の通りです。 1)遺言を書く 便せんや封筒、ペンを用意します。 長年の保管に耐えられるようなものを用意しましょう。 いきなり書き始めると、誤字脱字や記載ミスが起こり、法的な効力が失われる可能性があります。 必ず下書きをして、専門家にチェックしてもらうことをおすすめします。 2)遺言を保管する 自宅の場合は金庫や仏壇、引き出しなどが考えられます。 死後に発見されない可能性や、目立つところに置いてしまい家族に見られてしまう危険性があります。 保管場所に困ったら、専門家に依頼するか、公証役場に保管を依頼しましょう。

(3)公正証書遺言を作成する流れ

作業前の準備が完了したら、以下の流れで作成していきます。 順番に説明していきます。

1)必要書類を用意する

自筆証書とは異なり、相続人の関係が分かる書類や財産の分かる書類が必要になります。必要書類は以下の通りです。
必要書類 誰のものか 備考
印鑑証明書 遺言者本人 発行から3ヶ月以内のもの。1通必要。
戸籍謄本 遺言者と法定相続人の関係が分かるもの 発行から3ヶ月以内のもの。1通必要。
住民票 法定相続人以外に遺産を残したい場合、法定相続人以外のもの。
登記簿謄本・固定資産税評価証明書 不動産が遺産にある場合
住所・氏名・生年月日・職業を書いたメモ 証人2人分。
実印 作成日当日のみ。遺言者本人分
認印 作成日当日のみ。証人2人分 シャチハタ不可

2)証人2人に依頼する

友人や専門家に証人を依頼しましょう。ただし、配偶者や自分の子ども、親などは相続する対象になるため、証人になれません。

3)公証人と打ち合わせる

事前に公証役場に予約し、2、3回打ち合わせを行います。遺言者が必要書類を渡し、遺言内容を伝えます。 それを踏まえて、公証人が文案を作成します。打ち合わせは専門家などに依頼することも可能です。

4)証人と公証役場に行き、遺言を作成する

公証役場に行き、証人2人の立会いのもとで公証人が遺言を作成します。 あらかじめ打ち合わせに基づいて作成した、 遺言内容を公証人が読み上げ、遺言者が内容を確認します。 間違いが無い場合、遺言者と証人、公証人が署名捺印して完成します。

5)公証役場で遺言を保管する

完成した遺言の原本は、公証役場で保管されます。遺言者には正本と、謄本が渡されます。 正本とは、原本の写しで、原本と同じ効力を持つものです。謄本とは、原本の写しではありますが、原本と同じ効力は持っていません。 正本と謄本は、公証役場で再発行が可能です。

まとめ

ここまで、終活で行う遺言についてご説明してきました。遺言は、残された家族に財産を伝え、遺産相続のトラブルを避けるためにも必要です。 自筆証書遺言と公正証書遺言は、自分の希望に合った形式を選びましょう。 遺言作成には、ある程度の時間と費用が必要です。 遺言を作成し、自分の残りの人生を豊かに過ごすために終活を進めていきましょう。

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