終活では、介護や医療、特に延命治療の希望などのイメージが強く、まだ30代では早すぎるとの考え方もあります。
しかし、終活が広まった原因には、死後に遺族がトラブルに巻き込まれることや、死後の手続きに莫大な時間や労力を要することがあります。
30代でも万が一に備えておくことは、決して無駄なことではありません。
今回の記事では、まだまだ若い世代といえる30代での終活についてお伝えしていきます。
30代は若い世代で、結婚や仕事の昇進、育児など多くのライフイベントがあります。
そのため、30代でライフイベントを踏まえて終活することで、より終活が具体的なものとなります。
30代の終活メリットを一つずつお伝えしていきます。
の3点です。
また、30代の終活をスムーズに進めるには、エンディングノートを作成しましょう。また、収支の見直しやサービスの利用状況の把握、不用品の廃棄など、無駄を減らすことで節約や断捨離に繋がります。
さらに、ライフプランを見直すことで資産形成がより現実的になります。
30代の終活は決して早すぎません。早く終活をスタートすることで、しっかり考える時間ができますよ。
30代の終活は早すぎる?
30代の終活は、決して早すぎることはありません。実は30代は、終活を始めるにはいいタイミングなのです。 30代では、結婚や出産、子育てを経験することで守らなければならない家族が増えたり、仕事で責任のある立場になったりする時期です。 また、子供の教育費や住宅ローンなど、多くのお金が必要となる時期でもあります。 ライフイベントがたくさんある30代だからこそ、一度立ち止まって、今までの生活を振り返り、今後の生活のあり方を考えてみましょう。終活を30代から始める3つのメリット
終活を30代から始めるメリットは、以下の3つです。-
- 人間関係のストレスが減る
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- 万が一の際に家族の負担を減らせる
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- ライフプランを見直せる
30代の終活メリット①:人間関係のストレスが減る
終活で今までの交友関係を見直すと、人間関係のストレスを減らすことにつながります。 終活では、これからの生き方を見つめ直します。その時に、今後も付き合っていきたい人や、万が一の時に葬儀のことを伝えてほしい人は誰か、考えていきます。 今の交友関係で、付き合っているとストレスを感じてしまったり、ほとんど連絡を取っていない人はいませんか。 終活を機に人間関係を整理すると、不要なストレスが減り、お金や時間を無駄に使う必要がなくなりますよ。 また、今まで以上に人との繋がりの大切さに気づくことができますよ。 ただし、一度整理した人間関係はなかなか元には戻せないので、十分に注意しましょう。30代の終活メリット②:万が一の際に家族の負担を減らせる
30代で終活すると、万が一の際に家族の負担を減らせます。 30代はまだまだ元気で、日頃は病気や事故について考えることはほとんどないでしょう。 万が一、介護や医療のこと、さらに延命治療を行うかどうかの判断を家族に委ねると、家族にとって大きな負担となります。 生前に延命治療や介護、医療に関するあなたの希望を家族と相談して伝えておくことは、万が一の際に家族の負担を軽くできますよ。 また、年金手帳や保険証、保険証書などの大切な書類をまとめて整理しておくと、保険金や入院の手続きを家族が行うときにスムーズにできますよ。30代の終活メリット③:ライフプランを見直せる
30代で終活すると、ライフプランを見直せるメリットがあります。 30代と言えば、プライベートでは結婚や出産、育児が始まる人も多くなる年代です。 仕事でも、勤務から10年が経過し、中堅社員として会社で責任を感じる人が多くなります。 今後のために転職を検討している人もいるでしょう。 終活では、今の生活を見直し、今後どのように生きていきたいかを考えます。 仕事のあり方や家庭での役割、自分の人生の中で大切にしておきたいことに気づくことができますよ。 また、今後の生き方を考える上で、資産設計は非常に大切です。 ライフプランの見直しと資産設計を並行して行うと、ライフプランをより現実的に作成することができますよ。30代の終活でやることリスト10選
30代の終活でやることはたくさんありますが、10選に絞ってお伝えします。 一度に終活を進めようとしても、上手くいかなかったり、終活に疲れてしまうこともあります。 まずは今回お伝えする、やることリスト10選を実践し、終活の第一歩を踏み出してみましょう。やることリスト①:エンディングノートの作成
エンディングノートを作成すると、終活をスムーズに行うことができます。 若い30代では終活のイメージがしづらく、何から始めたらいいのか分かりづらいでしょう。 エンディングノートには、終活の重要ポイントが網羅されています。終活を始める第一歩として、エンディングノートの作成をおすすめします。 エンディングノートには、預貯金や保険などの資産や、交友関係、万が一に備えて介護、医療の希望などを記入します。 30代の場合では、医療などの希望を考えることも大切ですが、財産の把握やライフプランの見直しをしっかり行いましょう。 目標を持って今後の生活を過ごすことができますよ。やることリスト②:サービスの解約や見直し
現在利用しているサービスの解約や見直しを行うと、家族の負担軽減になります。さらに、無駄な支出を減らすこともできます。 クレジットカードや銀行口座がたくさんあると、万が一の時に、家族が時間と労力をかけて、一つずつ解約しなければなりません。 使っていない銀行口座やクレジットカードは、整理しておきましょう。 また、動画サービスなどのサブスクリプション契約を見直しましょう。サブスクリプション契約は、利用していなくても料金が発生します。終活を機に見直しましょう。 不要な支払を減らし、貯金に回すことができますよ。 加入する保険の内容を見直すことも大切です。 保障内容が今の生活と合っていない場合は、保障を変更したり、解約することも考えておきましょう。やることリスト③:不要品の処分・断捨離
不用品の処分や断捨離は、終活で非常に重要なことです。 部屋に不用品がたくさんあると、万が一の時に遺品整理が大変です。 家族の負担を軽くするためにも、断捨離を心がけておきましょう。 不用品を処分し部屋がすっきりすると、物を購入するときにその必要性をしっかり考える習慣づけにも繋がります。 転勤などの引っ越しにも、物が少ないと便利です。 どこに何があるか把握しやすいので、探し物にかける時間や手間、ストレスからも解放されますよ。やることリスト④:アルバムの整理
アルバムを整理しておくと、万が一の際に家族の負担を減らすことができます。 たくさんの写真やアルバムがあると、どの写真を残しておくべきか判断しづらく、家族が処分に困りがちなのです。 まずは、不要な写真を処分し、残しておきたい写真だけアルバムにまとめましょう。 すでにたくさんのアルバムがある場合は、中の写真を見直し、不要なものは処分していきます。 残したい写真がたくさんあるときは、データ化もおすすめです。写真が色褪せる心配がありませんし、保管しておく場所も必要ありません。やることリスト⑤:資産の形成
30代の終活では、資産の形成を考えることが重要です。30代では、結婚や出産、育児、マイホームの建設など、お金がかかるライフイベントがたくさんあります。 ライフイベントが多く、莫大なお金がかかるのが30代の特徴ともいえます。 終活では、今後必要となるお金を把握し、現在の収入や、預貯金や有価証券などの資産をリスト化しましょう。 また、今の支出を見直し、無駄な出費を抑えることも重要です。節約し無駄な支出を減らすことは、資産形成に繋がります。 さらに、収入に不安を感じた場合には、株や投資信託などの有価証券を利用する資産運用を検討することができます。やることリスト⑥:葬儀の準備をする
30代の終活で葬儀の準備をしておくと、万が一の場合に家族の負担を軽くすることができます。 30代では身体が健康であることが多いですが、病気や不慮の事故と全く無関係ではありません。 突然事故に巻き込まれる可能性もあります。 生前に葬儀の希望を家族に伝えることで、家族が悩まずにすむかもしれません。 また、生前にお葬式の希望を伝えることで、あなたの死後するべきことをイメージしやすくなります。 事前に相談しておくと、貴方の希望に沿った葬儀を行ってくれるでしょう。やることリスト⑦:お墓の準備をする
30代の終活では、お墓の準備をしておきましょう。 若い30代なら、無理にお墓を購入する必要はないかもしれません。 まずは、あなたの死後にお墓を管理することになる家族と、お墓の場所や予算について話し合ってみましょう。 家族の負担にならないように、管理しやすいお墓を準備することをおすすめします。 さらに、近年は永代供養や樹木葬など、お墓の在り方も変化してきています。 お墓を準備するということは、お墓を購入するだけではなく、他の選択肢も増えつつあります。 一度家族と一緒に見学してみるのもいいですね。 30代の終活では、親の終活も一緒に検討しやすい時期です。 あなたの実家や義実家の、お墓の在り方も一緒に考えていくといいでしょう。やることリスト⑧:デジタル遺品の整理
デジタル遺品を整理しておくと、家族が遺品整理や相続手続きを行う時にスムーズになります。 30代では、SNSやサブスクリプション契約の利用が多いですが、家族はその存在を知らない場合があります。 また、アカウントを放置しておくと、なりすましなど、悪用される可能性があります。使用していないものは解約しておきましょう。 また、現在使っているSNSの利用状況やパスワード、契約しているサブスクリプションをまとめておくといいでしょう。 家族にも見られたくない投稿や、保存している写真なども整理しておきましょう。 さらに、ネットバンクや、ネット証券の有価証券などのデジタル資品は、万が一の時に家族が知れるように管理しておきましょう。やることリスト⑨:ライフプランの作成
30代でライフプランを作成しておくことは、今後の生活に非常に重要といえます。 今までの生活を振り返り、今後どのように生きていくか考えることがライフプランの作成です。 早めに人生の目標ややっておきたいことを考えてみましょう。今後の生活をより豊かにするために、今やるべきことが分かるようになります。 30代は、結婚や出産、育児、仕事の昇進や転職など、大きなライフイベントが複数あります。 ライフイベントを見据えた計画を立てることで、何を大切にしてこれからを生きていくのか、考えることができますよ。やることリスト⑩:老後までの資産設計
30代の終活では、老後までの資産設計を考えてみましょう。 資産設計すると、あなたが望む老後や生活に、いつまでに、どのくらいの預貯金を準備する必要があるのか明確になります。 まずは今の収入と収支のバランスを見てみましょう。無駄な支出を減らすと、そのお金を預貯金に回すことができます。 特に生命保険は、万が一を考えて過剰にかけている場合があります。 保障内容を確認し、保障内容が大きすぎる時には、保険の見直しを考えましょう。 さらに、退職により時間にゆとりができた時の過ごし方について考えてみましょう。 あなたが望む老後によって、資産設計も変わってきます。30代で終活するときの注意点
30代で終活するときの注意点は3つあります。 1点目は終活を家族と共有することです。 家族が重要な判断を行う時に役立ちます。 終活について家族と相談する時に、エンディングノートは役に立ちますよ。 2点目はデジタル資産についてです。 30代ではネット銀行やネット証券などのデジタル資産が身近なものですが、本人しか存在を知らないことも珍しくありません。 終活ではデジタル資産を忘れずに管理しましょう。 3点目は、終活を無理に進めないことです。 終活で死を意識することで人生を投げやりに考えてしまう場合もあります。負担にならない程度に進めていきましょう。30代の終活に関するQ&A
ここからは、30代の終活に関するQ&Aをお伝えします。 30代では、今まで終活について考えたことが無い人も多く、たくさんの疑問があるでしょう。 終活するうえでよく聞く疑問や対処法について、Q&A形式でお答えしていきます。 30代にとって身近なSNSや、ほど遠い遺言書などについてもお伝えしていきます。スマホの中身やSNSの情報の処理は?
スマホの見られたくないデータやSNSの投稿は、できる限り生前に消しておきましょう。 USBなどに保存し、パスワードをかけておくのもいいでしょう。死後に破棄するように伝えておきましょう。 また、本人死亡時にアカウント削除を要請できる管理者を設定できるSNSがあります。 設定できないSNSの場合、アカウント情報をまとめておき、死後にアカウント削除の手続きを家族にしてもらいましょう。 SNSの投稿を家族に知られる可能性もありますので、見られたくない投稿はこまめに消しておきましょう。服を上手に処分する方法は?
まずは、持っている服を全てクローゼットから出してしまいましょう。 礼服や、仕事で使うスーツなど、残しておかないといけない服は最初に除いておきます。サイズが合わない服は、この時点で処分してしまいましょう。 その後、トップス、ボトム、上着など、カテゴリーに分けると、どんな服があるのか把握しやすく、数の偏りに気づくこともできます。 分類が終われば、カテゴリー別に処分する服を選んでいきます。 年齢やライフスタイルにあわなくなった服や、2~3年間で全く着なかった服を処分の目安にするといいですよ。エンディングノートとはどのようなものですか?
エンディングノートとは、今までの人生を振り返り、今後どのように生きていくのか考えるためのノートです。 生年月日や住所などの個人情報だけでなく、預貯金や不動産などの資産、万が一の際の介護や医療の希望、家族へのメッセージなどを書き記していきます。 万が一の時には、家族が行う手続きや意思決定の支えとなります。 また、本人にとっても、これからの生活や老後を見据える機会になります。また、エンディングノートに沿って家族に相談すると、スムーズに終活できますよ。自分が死んだら誰が相続人になりますか?
遺言書がない場合、誰が相続人になるかは民法によって決まります。 まず、配偶者がいる場合は、必ず相続人となります。 次に、子供がいる場合は、その子供も相続人となります。子供がいない場合は、亡くなった人の実父母や実祖父母(直系尊属といいます)が相続人になります 子供と直系尊属がいない場合は、亡くなった人の兄弟姉妹が相続権を持ちます。 つまり配偶者は必ず相続人となります さらに子供、直系尊属、兄弟姉妹と順番に相続権を確認していくことで相続人が決まります。遺言書は必要ですか?
遺言書は必ず必要というわけではありません。遺言書が無い場合、民法で定められた割合で財産を分けます。法律どおりの相続で問題なければ、無理に遺言書を作成する必要はないでしょう。 しかし、生前にお世話になった家族に多く財産を残したい場合や、法律上相続人ではない人に財産を譲りたい場合には、遺言書が必要です。また、自宅など特定の不動産を相続してほしい家族がいれば、遺言書にその旨を書いておくほうがいいでしょう。まとめ
この記事では、30代で終活するメリットや、やることリスト10選、終活に関するQ&Aをお伝えしました。 30代で終活するメリットは、-
- 人間関係のストレスが減る
-
- 万が一の時に家族の負担が減る
-
- ライフプランを見直せる
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